革の歴史

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革の歴史

~私たちのブランドが革を使う理由

お世話になっている革問屋さん

まずは革の時代の変化からお話してみたいと思います。

革の始まりは200万年前の、旧石器時代。

狩猟が人類の生活の中心だった時代に、食料として捕食した後の動物の革を加工し、身を守るための一つの手段として、毛皮や革が使われてきました

もちろん生き物ですので、そのまま使用すると腐敗し、固くなり使えたものではありません。

そこで革を長持ちさせる為に生まれた最初の技術は「油鞣し」というもの。

これは、魚や動物の油を塗り加工したものです。

次に出てきた技術は「くん煙鞣し」という方法。

これは、干してある革が煙で燻されてしまい、それによって腐らないことに気づいたのが始まりだとか。

生き物の革を燻製にするので、かなりすごい臭いの革に仕上がりそうですよね。

その後現代でも使用される加工技術の「植物タンニン鞣し」が広まります。

これは樹皮や植物に含まれる、植物性のタンニンという成分を使用して加工する技術で、革に耐久性が生まれ、腐敗しにくくなります。

現代の加工工程でも、ほとんどが自然由来の成分で仕上げることが出来る為、環境にも人にも、優しい技術とされています。

※排水設備がしっかり整っていることが前提です。

化学もなければインターネットもない時代に、狩猟しながら生活していく中で、こんな技術を探し出すなんて・・・。本当にすごいですよね。

19世紀後半になると薬品を使用する「クロム鞣し」という製法が出てきます。

現代ではこの「クロム鞣し」と「タンニン鞣し」の二種類が主流ですが、「タンニン鞣し」は遥か昔からの製法ですので、その革を使用するだけで伝統品みたいなものではないでしょうか。

「クロム鞣し」と「タンニン鞣し」

クロム鞣しとは

革加工の半数以上を占めるのが、この「クロム鞣し」。

クロムという化学薬品を使用しており、加工に掛かる時間が早いのが特徴です。1日~2日で加工でき、なんと言っても一度に大量生産が出来るのがポイント。

価格も抑えられるので、産業革命と共に主流になるもの頷けます。

また、軽くて柔らかい仕上がりになりますので、いろいろなものに加工しやすいのも特徴です。車のシートやソファーと聞けば、その加工のし易さがよりイメージできるのではないでしょうか。

比較的水にも強い素材ですので、「タンニン鞣し」の革の様に濡れた時の心配をあまりしなくていいのは強みです。

耐久性もあり劣化しにくい革ですが、その分革好きさんの好む経年変化が、ほとんど楽しめないのも特徴の一つ。使い込んで自分に馴染んでいく過程はあまり楽しめません。

ただし、発色が良い色の革も作れますので、私たちの様にファッションアイテムとして革を使用したい人たちには嬉しい素材です。

タンニン鞣しとは

植物のタンニンという成分に、原皮を長い時間かけて漬け込むことによって出来る鞣し技術で作る革です。

タンニンはポリフェノールの一種で、ワインや柿の渋みを言えば分かり易いでしょうか。

この成分は、抗酸化作用があり長持ちさせる効果がありますので、人もアンチエイジングの一つとして取り入れたい成分。

その成分に一月以上漬け込むことによって、革の耐久性が出て長持ちさせることができるのです。

日本の「タンニン鞣し」のほとんどはミモザ(アカシア)の植物の成分を使用していますので、鼻の良い私には、ほのかにミモザの匂いがします。※私はこの匂いが好き。

ヌメ革を見つけたら、是非香りを嗅いでみてください。

自然由来の優しい製法で素敵な革なのですが、「クロム鞣し」と違って一度に大量に作ることが出来ないうえに、時間もかかります。ですので、必然的に価格が高くなります。

革自体は繊維が引き締まっていて頑丈ですので、コバを磨くこともでき、ベルトや鞄などの耐久性が必要なアイテムに適しています。

それに何と言っても「クロム鞣し」に見られにくい経年変化が楽しめるのがポイント。

使い込むと艶出てきますし、ヌメ革(染色していない革本来の革)ともなると、日光や手の油で色が飴色に変わっていきます。

革が好きな人が「タンニン鞣し」が好きという理由はここにあります。

大切に使用すれば、いくらでも長く使い込むことができるので、自分の色、自分の形に馴染んでいく「タンニン鞣し」の革にはロマンがありますよね。

見分け方は?

革の事をあまりご存じない方は、上記の特徴を参考に自分の好きな革を見つけていただきたいなと思うのですが、いざ購入する際に「これはどっち?」と悩んでしまう方もいるのではないでしょうか。

そんな方に簡単な違いをご紹介します。

香りの違い

「タンニン鞣し」は植物の香りがほのかにするものもありますし、革本来の香りがします。それに比べて「クロム鞣し」は化学薬品の匂いがしますし、無臭のものもあります。

柔らかさ

先に記述したように「クロム鞣し」の革は「タンニン鞣し」の革より柔らかくて軽いのが特徴です。それはオイルをほとんど含んでいないからです。

小物などのアイテムであればさほど差を感じないと思いますが、鞄ともなるとその重さは歴然です。

「タンニン鞣し」の革で作った鞄は、中身が入っていない状態でも重さを感じます。

持ち物が多い方で「タンニン鞣し」の革が好きな方は、その重さと付き合う覚悟も必要かもしれません。

吸水性

鞄や靴など、水に塗れる可能性があるアイテム選びで気を付けたいのが吸水性です。

「クロム鞣し」はすぐに染み込むことはありませんので、濡れてしまった時には、すぐに柔らかい布で拭き取ることでケアできますが、「タンニン鞣し」の革は水に弱いので扱い方に気を付ける必要があります。シミにもなりやすいので、汚れてしまったとしても「それも思い出」と愛でる気持ちで付き合っていけると、素敵な相棒になります。

A`kenoがレザーブランドである理由

ここまで革の説明をしてきましたが、ここからは当ブランドがなぜレザーブランドなのかをお話させてください。

もちろん夫婦共に革が好き。ということは大前提です。

一つのアイテムを長く大切に使っていきたいと思った時は、やはり革製品に手が伸びる傾向にあります。

ですが、革でなければいけない。とも思っていません。

革は元をたどれば生き物です。

ここの部分で賛否両論、意見が分かれる時代となりました。ですが、人間が牛を食料としなくなる日はまだまだくる気配はありません。

となると、命を最後まで大切にする。という意味でも、革を商品化し私たちの思う「素敵」なアイテムに作り変える。

そして、「素敵」なアイテムだからこそ、また長く大切に使ってもらえる。

微力ながらも、その終着点に花を添えられるブランドになりたいと考えています。

ですので、その他にも使う理由がある素材が見つかれば、その素材での商品を作っていくのだと思います。

革以外を使用したアイテム

ここまで革のお話をしてきましたが、最後に革以外の素材を使用したアイテムをお話させてください。

シュシュストラップ

夏に販売した「シュシュストラップ」は昆布の繊維を使用した布と、革の組み合わせで商品を作りました。

昆布でできた布はパリっと張があり、逆に伸縮性がありません。これがシュシュにした時にクタクタにならず、形をキープしてくれるのがポイント。

そして、肩に下げた時に昆布の布が滑り止めの役割をしてくれますので、荷物を下げた時の安定感が嬉しいアイテムです。

ワイヤーステッチコインパース

これは最近のBlogでもお話した、「福岡アーツアンドクラフツ2025」出店時に、このイベントの起源でもある、英国のウイリアル・モリスと出会いました。調べていくうちに、そのテキスタイルに引き込まれ、そのデザインを使用したアイテムを作りたいと思ったところから生まれたアイテムです。

次はどんな素材に出会えるでしょうか。

小さなブランドだからこそ、通常ではできない素材との組み合わせや、見たことのないアイテムが作れるのです。

私たち夫婦も、イメージにとらわれることのない、柔軟な思考でブランドを成長させていきたいと考えております。

とはいえ、まだまだ革をメインに使用したアイテムを作り続けることでしょう。

もしもお目に留まることがありましたら、なんでもご質問ください。

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