夫婦で試行錯誤した半年とワイヤーステッチの完成まで

前回までのお話で、私たち夫婦が「ワイヤーステッチ」に辿り着くまでをお話しました。
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A`kenoの象徴「ワイヤーステッチ」が生まれるまで | A´keno
私たちの夫婦が、物づくりにおいていま最も大切にしているこだわり。それは、一般的な革製品の常識にはない「ワイヤーステッチ」という独自の技法です。
まだまだ「ワイヤーステッチ?」と想像がつかない人がほとんど。
そんな異素材の組み合わせに挑戦することに決めた私たちの想いと、 その想いを具現化させた「ワイヤーステッチ」をご紹介させてください。
なぜワイヤーステッチなのか
前回までは、ワイヤーステッチに辿り着くまでの他のデザインをご紹介してきましたが、今回はその後なぜ「ワイヤーステッチ」になったのかのお話です。
一般的に、革製品は麻糸やポリエステルなどの「糸」で縫い合わせます。
しかし私たちは、そのステッチの一部に「シルバーの細いワイヤー(金属線)」を組み合わせることにしました。
温かみがあり、使うほどに柔らかさを増していく天然の革。
そこに、細く引き締まったシルバーワイヤーが加わることで、今までにない上品なコントラストが生まれます。
無骨すぎるインダストリアルではなく、どこまでも繊細でモダン。
そこを突き詰めることによって、ユニセックスでシンプルなA`kenoの商品との相性が良くなると感じたからです。
完成までの道のり
しかし形にするのは容易ではありませんでした。
たかが「ワイヤー」一本なのですが、アイテムを組み合わせてみると、全然印象が変わってしまうのです。
ワイヤーの色
このワイヤーの色と太さで、印象はがらりと変わってくると思っています。
シルバーや真鍮、そしてゴールドを候補に挙げ、施す予定のアイテムに馴染むカラーを探していきます。
黒と赤をメインで使用する私たちのデザインと相性の良いもの。
それは「シルバー」でした。
ユニセックスのブランドということもあり、ゴールドで繊細なデザインは少しだけ女性より見える。
※私たちの主観です。
また真鍮などの酸化しやすいワイヤーでは、アンティーク感が出てしまう。
そんな素材の持つ特徴とカラーを見比べて絞っていき、夫婦が出した答えは「シルバー」のワイヤーが私たちのブランドにあっていると感じたのです。
ワイヤーの太さ
そして、最後まで悩みに悩んだのが、ワイヤーの太さです。
細すぎて扱いやすいワイヤーでは糸と見た目が変わりません。
でも太いワイヤーは主張が強すぎて、ステッチの種類にもよりますが、どこか無骨に見えてしまう。
また、革から浮いてしまい扱いにくさもありました。折れ曲がる箇所を間違えると、ワイヤーが撚れてしまい、統一感のある整列したステッチに見えにくいのです。
「繊細に見えるワイヤーは?」
「シンプルなステッチのデザインは?」
「A`kenoのデザインに合うものは?」
「ユニセックスに見える?」
そしてなにより・・・「私たち自身が『素敵』と思えるのか?」
夫が試作しては、一緒に見比べる。
このなんとも地道なやり取りを、およそ半年間繰り返しました。途中私は、「ワイヤーなしで考えてみては?」と投げかけたこともありました。考えれば考えるほど、分からなくなってくるのです。
意見する私でさえこんな気持ちになるのですから、試作し続けている夫は、もっと頭を抱えたことでしょう。
処置を考える
ワイヤーは糸と違って結んだり、焙ったりして縫い留めることができません。
この件で追加があれば箇条書きで足してください。流れの良い部分に差し込みます。
私たちは問題にぶつかる度に、解決策を探し、少しずつ完成に近づけてきました。
こうして縫っては見返し、縫っては見返しを繰り返し、気付けば半年という月日が経っていました。
そしてカードケースの完成と共に、ようやくA`kenoのデザインとマッチするワイヤーステッチが完成したのです。
しかし、完成したワイヤーステッチは、カードケースだけのために生まれたものではありません。
これから先も、A´kenoのさまざまな商品と共に、私たち夫婦のものづくりを支えてくれる、大切な存在になっていくと思っています。
次回第三弾は、この完成したワイヤーステッチに込めた、私たち夫婦の想いを語らせていただきたいと思います。まだまだ、模索しながらではありますが、現状の想いと新しいスタートを切る挑戦への意気込みを込めてお話したいと思います。
